第68話 君の言ってることは全て正しいが、全く面白くない。
最近、正しい人が多いね。なんでも自粛させたりさ。
でも私、昔から正しい人があんまり好きじゃない。
もう十年位前の話だけど、
とある競合コンペの仕事をしていて、とある男子が、私のそばに勢いよくやってきた。
なんでも、私が書いた企画書のストーリーが気に食わんらしい。
で、まっすぐな目をして
よしこさん、僕勝ちたいんです!勝ちたいから言わせてください!
と言う。
「なんや君。気色悪いやつやな。」
と思わず本人に言うてしもて。
「あの、君、仕事なんやから普通に意見言うたらええやんけ。」
それに。。苦手やねん。この自分の気持ちに正直系の人。
「君の勝ちたいという気持ちは誰よりも尊いのかい?」
とか、言うてもうて、もう炎上どころの騒ぎではなかった。亀裂っていうのあれ。
数年後やっとその人と普通に話すようになりましたが、あの時はほんとすいません。言い方ですね言い方。
でも昔から
この純粋な気持ちっていう誰にも否定できない安全圏から人にもの申す感じが、私あんまり好きじゃない。
その正義感の裏には、人を制したいとかジブンをアピりたいとかスケベ心がまる見えで。
いや、いいんです。スケベ心ありありで。私、そういうの大好き。
ただ、
「自分の心に正直に生きる。」
こういう大それたことを、たやすく言うてしまうなら、
自分の隠された欲望にもしっかりと目を向けたい。
正義感に燃えてる心のどこかで、
どこか気持ちいい自分がいるはずで。
「⚪︎⚪︎さんのおっしゃることにに間違いはございません。」
前の会社のアナーキー上司(師匠)が、キレると、必ずこのセリフを言っていた。
「君の言ってることは全て正しいが、全く面白くない。」
師匠、この年になってあなたの言葉の意味がやっとわかった気がします。
そう、結局面白くないんだよ。それそれ。
ところで。
今朝、テーブルの上にあったタオルで顔を拭いたら、夫がびみょうな顔でわらっており、どうしたんって言ったら、なんでいつも会社に持っていくタオルがびみょうにしめっているのか、ここ数週間不思議に思っていたらしい。
え、これ毎日会社に持っていってたの?なんでテーブルにタオルが置いてんだろと思ってたけどちょうどええわって感じで。
あと、私はテツなんで、いまは一番いすみ鉄道の犬釘が欲しいと言ったら何を言っているかわからないと息子に言われた。
あーもう家族でもわからんことはたくさんあるわー。だから他人をとやかく言うのは今回でやめて、次回は26日火曜日、私の失敗話を聞いてください。
#正しい人#自粛モード#批判する人たち